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コラム「家族信託における遺言の代用性について」をアップしました。2017.08.08

父が死亡し、その子がさらに死亡し、孫が相続する場合や、夫が死亡し、妻が相続したがさらに死亡し、子が相続する場合など、二次相続と呼ばれる事がありますが、この二次相続については遺言では指定できません。遺言ではあくまで自分が死亡した際に誰が財産を相続するかを指定できるに留まり、その後さらに発生するであろう相続に際しての財産の継承先を指定する事はできません。

これに対し、家族信託は前記の二次相続が発生した際の財産の継承先まで指定する事が可能です。例えば長男に財産を継がせたいが、長男は結婚しているが子がおらず、相続が発生し、さらに長男に相続が発生すると、長男の妻と次男とで財産を分け合う事になってしまい、争いを避けるため、また、自分の財産は自分の子に託したいとい希望のために、長男が死亡したら次男に継がせたいという希望を家族信託で実現する事が可能です。この場合の信託行為の設定方法について様々な類型が用意されていますが、その一つとして、財産を父を受益者として信託し、父が死亡後は長男を受益者とするが、長男が死亡するという二次相続が発生した後、受益者を次男とするような仕組みを作る事が可能です。このように家族信託は遺言に比して自由度が高く、より一層本人の希望に沿う事ができる制度と言えるでしょう。