受託者が任務を懈怠してしまったために発生した信託財産に関する損失は受益者の請求により受託者が責任を負わなければならないことを指します。
ただし信託財産に損失が生じた場合には、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、現状の回復を求めることはできません。
また、受託者が信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがないなど、本来は第三者に委託することができないのに、信託事務の処理を第三者に委託した場合等において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、損失填補責任を免れることができません。